【はじめに】
投稿の内容は、2025年10月現在の情報に基づきます。渡航に際しましては、現地の最新情報をご確認頂きますようお願い申し上げます。
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10月下旬のある日、筆者はトルコのイスタンブールにいました。その日は朝からイスタンブール中心部を観光し、夕方ごろには宿泊するホステルに戻って休憩した後、翌朝5時発のフライトに備え深夜1時にイスタンブール空港に向けて移動する予定でした。
ところが。
ホステルに戻りベッドに横たわった時、明らかな体の異変を感じたのです。現地時間で午後5時ごろだったと思います。「こりゃやばいな」と勘づいてしまう、はっきりとした倦怠感?だるさ?のようなものでした。

まずい。さすがにまずい。この後数か国を移動する予定なのに、このままでは本当にまずい。不安に駆られるうちに、どんどん体調は悪化していきます。とはいえ、ここで旅行を中断することはしたくない。どーしよう。
ホステルを出るまでにまだ時間はあるので、ひとまず日本から持参した風邪薬を飲みます。筆者にはよく効く薬で、度々お世話になっている「特効薬」です。せめて移動中だけでも体が軽くなればと思いながら、出発直前まで休みます。
しかし。
多少は回復しかけたものの、結局フラフラになりながらホテルを出発することに。空港に向かうバスの停留所sultanahmetになんとかたどり着き、HVISTバスに乗り込みました。深夜ということで幸いにも乗客はほとんどおらず、yogiboのネックピローをつけながらひたすら寝ることに努めます(寝られないんだけどね)。

その後の記憶ですが、実はほとんどありません。体温計があったわけでもないので熱は測っていませんが、今考えても恐らくかなりの高熱だったかと思います。流石に自分でもわかるレベルでした。
この後、早朝5時発のエアセルビアでベオグラードを経由しハンガリーのブダペストに向かうのですが、タラップでの搭乗時に外がめちゃくちゃ寒かったことは覚えています。

さて、なんとかブダペストにたどり着いた筆者ですが、結局丸二日を静養に要し、観光できたのは最終日の半日だけとなってしまいました。3泊4日でたったの半日です。流石に悲しくなったのと、体調管理に対してどこか油断していたであろう自分自身に対する自責の念に駆られずにはいられませんでした。
そんなブダペストでの最終日、宿泊していたホステルの隣にあったチャイニーズレストランの牛肉麵に筆者は救われることになります。生涯忘れることのないであろう、思い出の味となりました。
出会ったのは、Xian Foodというお店。「わざわざヨーロッパまで来て中華かよ…」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は中国とハンガリーは友好関係にあり、街中では結構中国人を見かけます。もちろんお店も。Xian Foodの店内では、若い中国人グループ(恐らく留学生?)が楽しそうに食事をしていました。
Xian Food · Budapest, Oktogon, 1064 ハンガリー★★★★★ · 中華料理店maps.app.goo.gl
なにより、初めて訪れる異国の地で、しかも精神的肉体的に弱っている状況で、馴染みのあるものに出会った時の安心感というのは半端じゃないものです。まともに食べることもできず、数日ベッドで寝込んでいた筆者。Google mapでホステルの隣にXian Foodがあることを知り、迷うことなく入店しました。
笑顔の素敵な女性スタッフにメニューを渡され、どれにしようか迷っていると、見つけたのが牛肉麺の文字。そこからはあっという間でした。

運ばれてきた瞬間、思わず「うおー」と声が出てしまいました。肩の荷が下りるとはよくいいますが、まさにそんな感じ。箸もしっかり用意されていて、早速頂いてみることに。
まずはスープを。一口飲んで、本当に泣きそうになりました(誇張ではありません、まじで)。豚骨ベース?の温かいスープが、体に沁みます。中国人でもないのに、なぜか懐かしさを感じるウマさ。久しぶりのきちんとした食事だからというのもあったでしょうが、心から感じる安心感とその美味しさに、感動せざるを得なかったのです。そこから少し平たい(フォーっぽい?)麺、めちゃくちゃ柔らかい牛肉と頂きましたが、言うまでもない絶品でした。病み上がりなのに、完食してしまった(笑)
このお店、厨房がガラス張りで調理する風景が見えるのですが、そこに立つ中国人シェフにサムズアップをしたところ、満面の笑みで返してくれました。これも嬉しかった。
正直、別に高級料理を食べているわけでもありません。というかむしろ、現地の人からしたら安上がりなお店かもしれない(実際安かった)。しかし、あの時の筆者にとっては本当に救われる一品だったのです。忘れられない味となりました。
その後、次の目的地であるアゼルバイジャンのバクーに着くころにはだいぶ体調も良くなり、バクーではほぼほぼ計画通りに動くことができました。
「いかに自分は弱い人間か」
海外で発熱、体調を崩すという初めての体験をする中で、いかに自分が(精神的にも肉体的にも)弱い人間であるかということを思い知らされました。ブダペストのホステルで寝込んでいたあの時、「このまま悪化したらどうしよう。死ぬかもしれない。」とは本気で思ったものです。もちろん海外保険には加入していましたし、万が一に備え必要な緊急連絡先はすべて把握していました。
そして何より、自分の中で油断、ある種の傲慢さのようなものがありました。何回か海外を旅行したことがあるというだけで、大した経験値もないのに「海外旅行できる人」を自認する。「まさか自分が」と注意を怠り、油断している部分がありました。比較対象を同世代に定め、「まわりよりは海外行ってるし~」(実際は全くそんなことなく、筆者よりよっぽど海外に足を運んでいる同世代の人間なんていくらでもいます)と、どこか「舐めている」自分がいました。

しかし、いざアクシデントに遭遇すると、一気に自信を無くし、弱気になってしまったのでした。いかに自分が弱い人間であるかを強く実感させられるとともに、改めて様々な面で十分な注意、準備をする必要があることを再認識しました(体調管理だけではありません、スリなどの治安対策もそうです)。もしあの時体調が悪化し、日本に帰れないようなことになっていたら。思い出すだけでぞっとします。反省なくして、次の旅行はありません。
以上のお話は、決して美談ではありません。むしろ、再度自分自身に反省を促す意味での記録であります。体調を崩しながら旅行を続けることを推奨するなど、もってのほかです。日頃から、健康管理には十分注意したいところです。
ということで今回はここまで。旅は続きます。
